地味で地道な今日のねずみ

ハムスター(ここではねずみと呼称)を飼い始めてはや15年。その地味で地道な生活を記録します。

白くなりゆく

体重50g。軽っ。
体長が短めでやや小柄ではあるが、もうちょっとだけ体重がほしいところ。
まだ若いし、むちゃくちゃ回し車回してるし。
なので、ミルワームを3日に1匹、活動時間帯にあげることにした。

ミルワームの棚卸しをしてみたが、このペースであげても、どうやっても余るので、心配はいるまい。
なるべく食べ過ぎにならないようにしないと。

本人は、母親のブルーサファイアの血を見事に受け継いで、どんどん毛色が白くなっている。
ノーマルの柄はそのままで、色が抜けていったり、顔が中途半端に白くなったり。
お腹側はすっかり真っ白だが、本人がとても嫌がるので写真が撮れない。

うちに来て数ヶ月の写真を見ると、違うねずみみたいに色が抜けている。

ブルーサファイアのあさたろうの色の抜け方からいくと、多分3月くらいがピークで、あとは色が戻っていくと思うので、撮れるときになるべく顔と身体の写真を撮っておこうと思う。

「冬になると色が白くなる」という説があり、ウィンターホワイトハムスターとも呼ばれているが、今まで飼ったノーマル(野生種の色、アグーチとも)は、そこまで色が白くはならなかった。
サファイアの遺伝子の影響で色が白いやまとでさえ、背中側の色は残ってる。

冬に真っ白になるのはブルーサファイア(多分クリームサファイアも)だけなので、何故ジャンガリアンハムスターがウィンターホワイトと呼ばれているのかは謎である。

サファイアもちのプディングも冬にはかなり白くなりそうだけど、プディングはキャンベルハムスターとのハイブリッドから生み出された毛色という説が濃厚なので、この場合、参考にするべきなのはサファイアだろうなあ。

キャンベルは季節による色の変化はないようなので、ジャンガリアンの特質のようだ。

野生種の中でサファイア遺伝子が受け継がれて(サファイアは潜性遺伝子)、野生下ではノーマルカラーとサファイアの両方がいる状態なのかもしれん。
でないと、その季節による色変わりの特質はどこから来たのか?となる。

ジャンガリアンは、足の裏にも毛が生えていることから、明らかに寒いところの生き物で、冬をどう越しているかは解らないが、雪が降る地域では、冬は色は白い方が有利。

様々な動物のうち、たまに生まれる白い毛色のものは、氷河期に保護色として白くなった名残だと言われている。

ジャンガリアンのパールはそういった毛色の可能性はあるが、致死遺伝子で、パール同士で交配すると、子供はできても長生きしないと言われている。
実際、そういう生まれのパールの飼い主さんがいたが、本人のきょうだいはやっぱり1年以上生きられなかったと言っていた。
とすると、パールでは野生下では不利だ。冬以外は目立ち過ぎるし。

なので、ほんとは冬に白くなるサファイアが一番、野生下での生存には有利なんだけど、なぜか潜性遺伝子で、野生色は色変わりしないグレーなんだよなあ。

サファイアが、氷河期の特徴を残した本来のジャンガリアンハムスターの色だったとして、氷河期が終わって、環境に適応して色が変わらなくなった個体が出てきたとしたら、話はすっきりするのだが。

ノーマルカラーは顕性遺伝子なので、大多数がノーマルカラーになるが、たまにサファイアもち同士が交配したときだけ、サファイアが生まれることになる。

うーむ。難しいな。
そもそも野生下のジャンガリアンハムスターを数年に渡って研究した人はいるのだろうか。

野生下では地面に穴を掘って、蟻みたいにいくつかの部屋を作り、餌を貯蔵して暮らしていると言われていて、実際にでっかい水槽に土を入れて飼うと、そういう暮らし方をする。

これは推測だが、ハムスターはフンはトイレでせず、出しっぱなしなので、一定以上フンがたまったら、新たに部屋を掘って、寝床を変えるのではないだろうか。

ジャンガリアンハムスターは、巣が決まっていても、時々急にトイレに住みつきだしたり、寝床を複数持っていたり、個体によってはフンを上手に掃除する(口でくわえて寝床などの入口から外に出す)ことがあるので、時々寝床を変えるのは、寝床が汚れ過ぎたときや、危険を感じたときなどでは、と考えられる。

何か嫌なこと(例・動物病院に連れて行かれる)があっても寝床を変えることがあるので、ありえなくはない。

そのへん研究ではどうっすか、と、研究者に訊いてみたいが、ジャンガリアンはシベリアの方のステップに住んでるみたいなので、多分論文がロシア語か、研究しづらいところに住んでるか。野生のジャンガリアンの研究者については聞いたことがない。

シリアンハムスターと呼ばれているゴールデンハムスターですら、野生下では一度しか見つかってなくて、そのとき捕獲されたハムスターの子孫が、現在の全世界のハムスターの祖なので、野生下の生態は謎のまま。

ペットとして飼われるようになって初めてわかったことばかりで、まだまだ解らないことがある、と、動物病院の先生もおっしゃっていて、我々一般の飼い主による観察は、ほんとはとても大事なデータだったりする。

謎多きねずみ共よ……。