地味で地道な今日のねずみ

ハムスター(ここではねずみと呼称)を飼い始めてはや15年。その地味で地道な生活を記録します。

何回にするか

体重47g。流動食をあげたら48g。
派手に寝坊して、流動食をあげられたのが11時ごろだったのだが、毛並みが良くなってきている。
昨日は、弱々しいけれど、回し車を少し回して、しばらくその上でくつろいでいたので、やっぱり、なるべく元の家具を置いてやるのが良いな、と思った。
しかして、流動食をあげるタイミングが開くと、かえって元気になるねずみ。加えて、水を飲む音も聞こえたが、水は全然減ってない。
やっぱり1日3回の方が、ストレスは軽いだろうか。昨日は5時間あいてしまった回があったのだけど、なんだか妙に元気そうだったんだよな。
でも、一度に2ml飲ますのもストレスなんだよなあ。

加えて、人間の方も、ちょっと疲れが出てきている。
ホームセンターで殻つきのひまわりの種を500g買ってきて、粗悪なのがちょいちょい混じってるのを弾きながら、皮むきと細かくするのをやっているが、結構疲れる。
加えて、流動食のたびにひまわりの種をぺっぺっと吐き出す(危険を感じたとき、体重を少しでも軽くして逃げるための、ハムスターの習性。こいつはとくに自己主張が強いので、嫌がられてる)。

吐き出すのがひまわりの種だらけになってきたので、どうやらひまわりの種が一番好きらしいともわかった。栄養バランスがー、なんて聞いていられるか。
もし、私が流動食をあげられない事態になったら、とりあえずは食べる、チーズとひまわりの種がないと、こいつは容易に餓死してしまう。水分も摂れない。
排泄物の状態は良く、まだまだ元気だけど、多分夏を越えられない。それまで介護してやれるだろうか。夏を快適に過ごさせてやれるだろうか。

丸くなって寝ているときに射精したらしく、脂肪腫に毛が張り付いたちんこの先がくっついて、ちんこが完全に見えなくなっている。
これは…しっこできないのでは…。
男性諸氏は、大量に夢精して、朝起きたらちんこがパンツに完全に張り付いて、どうやってもはがせないし尿道口まで固まった精液で塞がってると思いねえ。
脂肪腫からはすぐ取れたが、ちんこの場所がわからなくなるくらいに毛と精液に埋まってる。
ああ、気の毒極まりないのだが、とりあえず取れそうなところから、毛をそっと引っ張って剥がして、ちんこの救出を試みる。具体的には、くっついた毛ごと引っ張って引き剥がす。
もちろんだが、キイキイと悲痛な叫びをあげる。ああ、こういう痛みがわからない性別で良かった…。
少しずつ、少しずつ、ぺりぺりと剥がしていったら、詰まってたと思しき精液が出てきたのが見えた。更にあちこち引っ張って、ようやく元通り。
本人は、処置後、しばらくトイレにこもってた。ちゃんと尿道が使える状態になってるといいんだけど。でないとやばい。

いつまでこうしていられるだろう。いつまで続くだろう。続けるのはちょっとしんどいけど、死なれてしまうのはもっとずっと辛い。
取り返しがつかないから。死んでしまったら、もう、しんどいと思うことすらもできなくなってしまう。

ハムスターを飼うということは、
寿命がとても短い生き物の、それからの一生を全部引き受けることだ。
咬み癖があってもひたすら耐えて平気な振りをして馴らすということだ。
夜中に、回し車が何か訳のわからないぶつかりかたをして起こされるということだ。
暑いときには、冷凍のペットボトルを置いて涼しくしてやることだ。
何回も色んな餌を試しては振られることだ。
おやつをあげても、すぐにうちに帰りたがって、全然ふれあいタイムなんて持てない。やつはやつで暮らしていて、私はそのお世話係だ。
長生きできない個体もいるし、老化したら、毎日の介護が必要になる。毎日毎日。
老化して、歯がダメになっても食べられる餌に馴らして、給水器を覚えさせて、健康チェックして、怪我や病気になったら動物病院に即連れていく。一回5千円で済めば御の字。
それらすべてを引き受けて、それでも飼うのは、あいつらが自分ひとりで暮らす生き物だからだと思う。
一匹だけの縄張りで、殆ど鳴かずに気ままに暮らしている。餌と水とトイレさえちゃんとしてれば、寂しい思いをさせなくて済む。

「ヒメキヌゲネズミ」の和名に相応しい、つやつやきらきらの毛並みに触れて、おやつをあげて、毎月誕生日を祝って、奴らの生活音を耳にしながら、眠るのは、悪くない。